高齢化社会が進むとともに認知症に悩まされる人の数が増加しています。
もし身近な人が認知症になってしまったらどうしたら良いのでしょうか。

大切なことは認知症とは何かということをきちんと理解することが大切です。
認知症や痴呆症という言葉は知っていても、実際にどういう状態になるのかを理解していない人も多いでしょう。

認知症と痴呆症の違いとは

痴呆症とは認知症の以前の名称です。呆という漢字は「呆気にとられる」「呆然とする」という言葉に使われることからわかるように、ぼんやりする様を意味しますが、「阿呆」などのように愚かな様を意味する言葉にも使われます。

痴呆症という言葉には差別的な要素が含まれるということで認知症という名称が使われるようになりました

認知症になったらどうなる?

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認知症とは脳血管障害やアルツハイマー病などが原因で脳の働きが悪くなり、もの忘れしやすくなったり、妄想がひどくなったりして日常生活に支障をきたす状態のことを指します。もの忘れがひどくなり、次第に自分の身の回りのこともできないようになります。

家族のことが認識できなくなると他人のように接するようになります。
自分の家がわからなくなると、一旦外に出てしまえば1人で家に戻ることもできません。妄想を抱いたり幻覚を見たり、時には暴力的になる場合もあります。

そして認知症が進むと食事のしかたさえ忘れてしまいます
感情的な面でも不安感が強くなったり、時には感情を失ってしまうこともあります。

身近な人が認知症になってしまったら

身近に高齢者の方がいる場合は認知症のサインを見逃さないことが大切です。
認知症は原因によっては治療したり進行を遅らせることができます。発見は早ければ早いほど良いのは言うまでもありません。

認知症が進んでしまったら、身近な人は認知症になってしまった人を受け入れることが大切になってきます。本人を叱りつけたり、行動を否定したり、邪険に扱ってはいけません。
本人がこれまでと違う自分に一番不安を覚えて戸惑っています。何気ない些細な言葉が悪化の原因にもなってまうこともあるので注意が必要です。

ただし、5年、10年という長期間にわたって介護を続けるにはかなりの忍耐を要します。
自分だけで抱え込まないで回りに助けを求めましょう。

ご近所の方に協力を仰いだり介護保険のサービスを積極的に利用しましょう。
介護する人の気持が安定していることも介護には大切な要素です。