少子高齢化が進む現代の日本では、高齢者の介護事情は日に日に厳しさを増しています。

介護事業者の不足だけでなく、その重労働に見合った対価が支払われていない課題や、例えば認知症患者の症状の段階に応じた対応が的確に行われずに事故や事件に発展してしまっているケースも少なくありません。

認知症に関して言えばその影響は認知症を患ってしまった本人だけでなく、その家族にも大きな負担を強いる事になってしまいます。そこでその負担を軽減すべくサポートしてくれる存在が必要となってくるのです。

認知症コーディネーターとは

認知症は症状が進むほど周りへの負担は非常に大きなものとなってきます。重度であれば四六時中誰かがそばに付き添っていたり、部屋を隔離したりする必要さえ出てくるのです。

それらの負担軽減のために協力してくれるのが「認知症コーディネーター」です。認知症コーディネーターとは、認知症の本人とその家族に対し、症状や進行具合に応じた適切な支援とサポートサービスが十分に提供されるよう、専門家への助言の要請や関係機関との連携調節を行ってくれる人たちのことです。

認知症コーディネーターの仕事内容について

この仕事は支援範囲が広く、症状に応じてサポートが必要とされていることから認知症コーディネーターの仕事は多岐にわたっています。

例えば、症状が重く家族のみの介護やコーディネーターのみの力では充分なサポート体制が作れないと判断すれば、地域の介護支援専門員などに連絡しさらなる支援や助言を求めます。

さらに、関係機関や施設職員にも相談し、認知症患者やその家族が希望するような介護体制が叶うように必要なサービスとの仲介と橋渡しの役目を担います。

このように現場で活躍することに加え、コーディネーター同士も密に連絡を取り合って状況の把握や情報の共有と把握に努めます。

また、コーディネーターだけでなく医療や介護に携わる専門家が専門分野の枠を超えて専門性の理解を深めるための機会の提供や事例検討会などを行い、介護サービスを提供する側の向上という仕事もこなしています。

介護の現場での課題と今後について

認知症コーディネーターは介護従事者が増えるにつれてその必要性も高まっているのが現状ですが、国によって明確な職業資格が示されているわけではありません。

そのため、その賃金も妥当なものとは言い難く制度の充実も発展途上と言わざるをえません。

コーディネーター養成研修プログラムも地域によって様々あるため、それらの定義づけとさらなる従事者の充実をはかることが目下の課題であり、介護に苦しむ家族の負担を少しでも軽減してより暮らしやすい世の中にすることが大きな目標といえるでしょう。