そういえば最近物忘れがひどくなったな、ご飯を食べていないと言い出したな、何度も同じことを言いだしたな、家への帰り方が分からなくなったな、あんなに大好きで熱中できる趣味があったのに意欲がなくなってボーっとしているな、といった家族の変化に気づき戸惑うことがあるかもしれません。

年を取ったし仕方がない、これは老いだと思って放っておかれることも多いかと思いますが、実は認知症の初期の症状だったりすることも少なくありません。

ある程度病状が進行してしまって病気が発覚することが多い病気ですが、早い段階絵病院を受診して薬を服薬すると進行を遅らせてこれまでと同じような生活を送ることもできます。

また正しい知識を持って家族が関わることで、落ち着いて生活を送ることができるのです。

認知症ってどんな病気

認知症は脳や体の疾患が原因で、判断力や認知力に障害が起こり、日常生活を送るのが困難になってしまう症状です。

加齢による老いではなく、病気であるところに、単なる物忘れとの違いがあります。よく物忘れは忘れたことを覚えているけれど認知症は忘れていること自体を忘れているといいますが、まさにその通りです。

認知症もいくつかに分類することができ、病気の原因を治すことで症状が軽減したりそのまま停滞することもありますが、進行性のものは放っておくとどんどん進行してしまうので、早期の発見と治療が必要となります。なので、もしかしてと思ったらすぐに医療機関を受診する必要があります。

介護の方法

認知症の介護の基本は寄り添いで、これが一番重要なことです。よく問題行動と言われる徘徊ですが、これは本人にもきちんと思うところがあって行っていることであり、理由があるのです。

そのため、危ないからとか手がかかるからとか、介護する側の都合で介護を行うと、その方の問題行動とされる原因そのものを取り除くことはできずイタチごっこになってしまいますし、本人にとって最良のケアとは言えません。

なぜそうするのか、どうしてそうするのかといった原因を考え、それが叶うにはどうしたらいいのかを考え、寄り添って見守ったり手助けをすることで本人の不安を取り除くことができますし、落ち着いて生活を送ってもらうことができます。

家族のケア

認知症を患っている方を介護する家族は、大変な労力を伴います。見守っていなければいつ外へ出ていき帰ってくることが出来なくなるか分からない、判断能力が低下しているのでいつけがや事故をするか分からない、夜中でも外に出ていくかもしれない、物盗られ妄想で暴言や暴力を受けるといった気の休まる暇もありません。

そういった家族の方のケアも十分考えなければなりません。認知症の家族の会で情報を得たり同じ境遇の方の話を聞くことで気を落ち着けてもらったり、行政のサービスを利用しながら少し気の休まる時間を作るなど工夫をすることが必要です。