現代の日本は少子高齢化が急速に進み、介護事情も非常に厳しいものとなっています。医療の発達によって寿命は年々伸びているものの健康寿命は大きく異なっているというのが背景にあります。

特に認知症は患った当人のみならずその家族を巻き込んで生活が大きく変わる可能性があるため、それによって生じる負担は計り知れないものがあります。それらの負担を軽減すべく必要な支援を提供してくれるのが「認知症サポーター」です。

認知症サポーターとは

認知症サポーターとは、認知症について正しく理解し、認知症の人や家族を温かく見守り支援する応援者をいいます。

厚生労働省によってその制度の確立がなされていて、支援を必要としている認知症の方やその家族に自分ができる範囲の支援を提供する事、そして正しい知識で温かく見守ることが目的とされています。

認知症サポーターは養成講座を受講して専門的で現場で生きる知識を備えてはいますが、特別な支援をしなければならないということはありません。

というのも、「暮らしやすい街づくり」が最終的な目標としているため、まずは認知症を受け入れる知識と経験をもつことが大切と考えられているからです。

その養成講座の受講者には地域住民や金融機関で働く人、スーパーの従業員、小中高等学校の学生などが含まれており、幅広い年齢層と職種の人に興味と関心を持たれています。

認知症サポーターキャラバンについて

認知症サポーターは全国で養成されており、彼らが中心となって認知症になっても安心して暮らせる街づくりに取り組んでいます。

厚生労働省が主導して取り組むこの事業のことを「認知症サポーターキャラバン」とよび、「認知症を知り地域をつくるキャンペーン」の一環として実施されています。

この認知症サポーターキャラバンによって毎年多くのサポーターが誕生しているのです。しかしながら、前述したように認知症サポーターは特別何か支援として行動を起こさなければならないというわけではないのです。

正しい知識を備える事によって、いざ支援が必要とする認知症の方に出会ったらできる範囲でサポートをしたり見守ったりすることが大切です。

認知症サポーターキャラバンによって一人でも多くのサポーターを養成し、少しずつ認知症への理解と受け入れ態勢が整って行くことが期待されているのです。

今後の課題と目標について

厚生労働省が実施しているこの活動は広がりを見せていますが、それでもまだ周知されたとはいえないのが今現在の課題といえるでしょう。

また、正しい知識を身につけられても日が経てば曖昧になってしまうこともあります。そうなってしまってはいざ認知症の方に出会ったときにできるサポートも限られてしまいます。

そうならないために厚生労働省のホームページでは復習用のページも設置されているので、うまく活用して認知症サポーターとして少しでも経験値を生かせるようにすることが大切です。