認知症の家族を介護している人は家庭の中で必死に過ごしていますので、自分のために外部と交流することが減り、孤独に陥りがちです。
また、介護のつらさを誰かに話そうと思っても、経験のない人にはつらさが伝わりにくく、いっそう孤独感をつのらせてしまうこともあるのではないでしょうか。
家族会とは?
そんな時に頼れる場所が家族会です。認知症家族会とは、一般的には「公益社団法人 認知症の人と家族の会」を指します。
この会は1980年に京都で初めて結成され、現在では全国47都道府県に支部があります。認知症の家族を抱える当事者の方々が作った会ですので安心して参加できますし、全国に支部があることからもこの会がどれだけたくさんの人に必要とされてきたかがよく分かります。
家族会の活動内容
家族会の活動内容は主に3つに分けられます。
1つめは「つどい」。各地で介護家族が集まり、日々のつらさを話し合ったり、認知症について情報交換をしたりできます。地域によっては若年性認知症の方本人が集まるつどいも開かれています。自分だけではない、と感じられる貴重な機会となっています。
2つめは電話相談。つどいに出かけられなくても、自宅から介護の悩みやグチを経験者の方に相談できます。全国どこからでもフリーダイヤルで電話できます(携帯・PHSからは有料)。
また各支部でも電話相談を受け付けています。不安な方は一度電話してみてからつどいに参加を考えても良いかもしれません。
3つめが会報の発行です。毎月会員に届けられる会報は、ニュースや介護に関する連載、調査研究の報告、制度の解説、読者のコーナーや本人のためのページと、充実の内容です。
積極的な参加は気が引ける…という方でも会報から多くを得られるのではないでしょうか。
家族会に入会する条件
家族会には入会条件は特にありません。家族を介護する人・認知症当事者の人はもちろん、関心のある人ならだれでも入会できるとなっています。医療・介護関係者などの方が入会されることもあるようです。
様々な会員の方が関わり合い、理解者の輪が広がることを期待したいです。年会費は5000円掛かるようですが、無料の資料だけでも請求してみると良いかもしれません。
最近では家族会の他にも、認知症カフェやオレンジカフェといった名称で、有志の方が各地で小さな集まりを開いていたりします。
このような取り組みは今後いっそう必要になっていくと思われます。自分の地域の家族会や集まりを調べて、参加してみてはいかがでしょうか。