認知症を正しく理解し、認知症患者さんや患者さんを抱えた家族を支え、励ましていく存在が認知症サポーターです。

厚生労働省が実施している「認知症サポータ・キャラバン」という事業の一環として、認知症サポーターを養成しています。認知症で悩む方になにかしてあげたい、そんな思いを持つ方はだれでもなれます。

認知症サポーターがすること

認知症サポーターになったら、特に何かをしなければいけないということはありません。

基本的に頭に入れておくべきことは、認知症の方を偏見を交えずに見守り、患者さんや家族に思いやりの心で接し、可能ならば何らかの応援をし、地域全体で認知症患者を支えるネットワークを作っていくといったことです。

認知症を患った方はとかく変な目で見られることがあります。そのような偏見を正し、認知症の方が少しでも社会に溶け込めるように導いていけばいいわけです。

世の中の多くの人にも、認知症について理解を深めてもらうように努力もします。
2016年現在、認知症サポーターの数は800万人を超えています。年齢・性別を問わず、多くの方が認知症患者や家族を支援すべく活動しています。小学生のサポーターもいます。

認知症サポーターになるためには

難しい試験があるわけではありません。認知症サポーター養成講座というものを受講するだけで、なれます。養成講座は、地方自治体で開催の受付を行っています。

10人以上の参加者を集める必要があります。地域や学校、企業などの従事者であれば、だれでも受講可能です。受講料は無料です。

講座の内容は、認知症の症状や特徴、診断や治療、予防方法、患者の方への対応の仕方や介護者への接し方、サポーターとして何ができるかなどです。

講師を務めるのは、「キャラバン・メイト」という方です。「キャラバン・メイト」は、講師養成研修を修了した人物で、主に介護従事者や民生委員、医療従事者、行政職員などの方々です。すべてボランティアで講師を受け持っています。

オレンジリングについて

講座を受講し終わって、認知症サポーターに認定されると、「全国キャラバン・メイト連絡協議会」という組織からオレンジのブレスレット(オレンジリング)が贈られます。

これは、認知症の方を応援しますよという意思表示になります。外出時には、オレンジリングを体に付けておきましょう。それによって、認知症の方を支える街づくりに貢献していくのです。