認知症の薬の種類は2つです。飲み薬と体に貼る薬になります。飲む方の薬の種類は2つあります。一つは認知症の中核症状を改善する薬で、もう一つは周辺症状を改善する薬です。
これらの薬の種類の中から、患者さんに一番適したものを使っていきます。一つだけではなく、複数使うことが多いです。
中核症状を改善する飲み薬
認知症の薬の中では、これが一番良く使われます。この薬は脳に直接採用します。
脳の中にある神経の伝達物質が生み出されるのを、妨害する酵素に働きかけます。
薬の働きによって、妨害ができないようにするのです。
それによって、物忘れの症状が改善していきます。
現在3つの種類の薬があるのですが、働き方はどれもほぼ同じです。
3つの中で患者さんに一番合っているものを使います。どれが合うかすぐに分からないこともあります。
最初はどの薬も少量から使っていきます。
初めに多く使い過ぎると、副作用が出ることがあるからです。
適切に使えば、副作用はあまり出ません。
副作用としては胃の調子がおかしくなったり、吐き気や嘔吐が起こることがあります。
他には怒りっぽくなったり、夜間眠らないことがあります。
このような症状が出たら、飲む量を減らします。
中核症状を良くする貼り薬
認知症の中核症状を良くする貼り薬もあります。これは皮膚に直接貼り付けて使います。
薬の成分が体の中に浸透していって、この病気の症状を和らげます。
この薬は比較的副作用が少ないと言われています。
飲み薬より体の中に取り込まれるスピードが遅いからです。
また何か副作用が出てきたら、剥がすことができます。
皮膚に貼るタイプの薬の副作用で目立つのは、痒みです。この薬を貼ったところが痒くなる場合があります。そんな時は、軟膏を塗布することで痒みを改善できます。
周辺症状のための薬
認知症には記憶の障害である中核症状のほかに、周辺症状もあります。
徘徊やうつ状態、妄想などが主な症状です。
これらを改善するためには、精神科の薬が使われます。精神科の薬が認知症を改善することはあまり知られていませんでした。しかし、周辺症状に悩み人が多いので、よく使われるようになりました。
その患者さんに合う薬が見つかったら、徘徊などの困った症状は、ほぼ良くなります。
ただし、見つけるまでに大変で、いろいろな薬を試すことになります。
漢方薬が使われることもあります。
漢方薬の中にも認知症の周辺症状によく効くものがあるのです。漢方薬の場合は効き目が穏やかなので、普通の薬よりもお年寄りに処方しやすいメリットがあります。