痴呆症(認知症)の治療において、薬物療法はいまだに治療の中心として位置付けられています。今現在病院などで投与されたり、処方している物として代表的な物としてはアリセプト、レミニール、イクセロンパッチ、リバスタッチパッチ、などです。
アリセプトという薬
アリセプトは1999年10月の発売以来、日本における痴呆症の症状改善に広く使われている薬です。アルツハイマー病などになると記憶や思考に重要な役割を果たす、神経伝達物質のアセチルコリンが不足します。アリセプトは、アセチルコリンが分解されてしまうのを防止し、脳内の神経伝達を活発にします。
服用の際は、1日1回3mgの用量が目安ですが、服用を始めて2週間程経っても特に問題が無い場合は1日5mgまで増やせます。
症状が重かったり、5mgで4週間以上経過している場合は10mgまで増量する事も可能です。
レミニールという薬
レミニールは、2011年3月に日本国内でアリセプトに次いで発売されました。主な作用は、アリセプトと似ていますがアリセプトと大きく違うのは、アセチルコリンの情報を受け取る受容体にも結合し、アセチルコリンやその他の神経伝達を活性化する効果があります。
服用の際は、1日2回、1回毎に4mgから始めて、朝夕食後に2回服用します。4週間程経ったら、倍の1回8mgに増やせます。それでも症状が改善しないようであれば、医師の判断によっては1回12mgに増量する事が可能です。
イクセロンバッチ・リバスタッチバッチという薬
イクセロンパッチ・リバスタッチパッチは、痴呆症を改善する効果のある薬の中でも唯一の貼り薬です。働き自体はアリセプトやレミニールとほぼ同じで、脳内のアセチルコリンの減少を抑えます。ただ、アリセプトとレミニールと大きく違うのはブチリルコリンエステラーゼの働きも阻害する効果があります。
服用する際は、1日4.5mgから開始し、4週間経過するごとに4.5mgずつパッチを大きくする形で増量します。2015年8月からは、9mgから開始し、4週間経過するごとに18mgに増やす事が認められています。
貼る際は、腕、胸、背中のいずれかの健康な肌の上に貼り、24時間ごとに張り替えます。
特に、本人がはがしにくく、かつ皮膚が丈夫な背中の部分に貼るのが理想的です。
ただし、このイクセロンパッチ・リバスタッチパッチは軽度~中度のアルツハイマー型認知症に向けた薬で、より症状が進行してしまった重度のアルツハイマー型認知症の患者さんには利用出来ません。