現在日本には約420万人の認知症患者さんがいると推定されており、高齢化社会が進む10年後には730万人にまで増えると推定されています。

軽度認知症は認知症予備軍や初期の段階だと考えられていて、この段階で発見できれば進行を抑えることも可能で、認知症までには移行しないと考えられています。

病院では次のようなことをチェックします。よく使うチェックシートには10の質問が記入されています。あなたも一度やってみましょう。

<10のチェック項目>

①何度も同じ話ばかりする
②水の出しっぱなしやドアの開けっ放しなどが増える
③同じものを買ってくる
④会話の中に「あれ」「これ」が増える
⑤外出が減る
⑥身だしなみに無頓着になる
⑦趣味を楽しまなくなった
⑧家電の使い方などがわからなくなった
⑨小銭を使わない
⑩今日の日付や自分の誕生日の日付が思い出せない、の10個です。

<指文字>

また、背中に指で文字を書いて当ててもらいます。「マ」、「ス」、「ヌ」は区別がつきにくいのですが、きちんと区別できるかを確かめます。

<そのほかの検査>

よく行われるのが、引き算をやってもらって確かめる検査法です。

「100から7を引いてください」と引き算をしてもらい、「93」と答えれば「ではそこからまた7を引いてください」というように、次々に7を引いて計算してもらい、できなくなったらストップです。

この場合、答えが合っているかどうかよりも、きちんと考えたか、引き算と足し算を間違えたりしていないか、93-7なのに他の引き算に変わっていないか、などが大切です。

5つほどの身の回りの物を見せて名前を言って貰うという検査法もあります。

例えば、めがねを見せて「これはなんですか」と聞きます。「めがね」と答えたら、めがねをいったん机の引き出しの中など目につかない所に片づけます。

次にボールペンや帽子など何でもいいので5つほど見せて同様にいったん片づけます。そして、上記の7を引く計算をしてもらい、その後に「さっき見せた5つの物の名前を思い出して言ってみて下さい」と、少し時間を置いてさっき見せたものが思い出せるかどうかを確かめます。

これらの検査法はご家庭でも可能ですので、気になる人は試してみても良いでしょう。それ以外に、現在では血液検査でも軽度認知症が判るようになりました。

平成27年11月の時点で全国で約400の病院で血液で軽度認知症を調べる検査法が実施されています。また脳のCTやMRIで脳の萎縮状態を見たり、PET-CTで脳の状態を判断します。