認知症かどうかが病院で診断される場合には、様々な材料が使用されます。そのひとつが認知症のテストです。これは全国、多くの病院で利用されている認知症の検査のためのテストです。
このテストの検査内容は、簡易評価であればそれほど内容は多くありません。ですから自分や家族で行ってみるのもひとつの方法です。
病院で行われる認知症の検査
病院では認知症かどうかというのは、問診、認知症の検査テスト、そして脳の画像診断、その結果を総合的に見た上で判断されます。
問診は家族や本人に対して行われます。記憶力の悩みなどが聞かれる他、本人の性格などに変化が出てきていないかどうかといったことなども聞かれます。
脳の画像診断は、脳の神経細胞の状態などが確認されます。そして認知症の検査、そのテスト内容ですが、これは設問に答えていきます。それぞれの設問には点数が設定されており、その合計点数によって認知症かどうかが診断されます。
テスト内容について
ではどのような内容か、そして点数についてです。まず年齢です。実年齢よりプラスマイナス2歳の場合は正解で1点、それ以外は不正解で0点です。
続けて現在の年、月、日、曜日でそれぞれ正解は1点、不正解は0点です。今、いる場所についても問われます。自発的に答えられた場合は2点、5秒後に出されたヒントで答えられた場合は1点、回答できなかった場合は0点です。
次は桜・猫・電車と梅・犬・自動車の単語を口にしてもらいます。言葉ごとに1点、不正解は0点です。更に後で聞くので、この言葉を覚えてもらいます。
続けて100から7を引いてもらいます。93と答えられた場合は1点、そのまま86と答えられた場合も1点加算です。93が答えられなかった場合は、この設問は終了で0点のままです。
次、6・8・2と3・5・2・9を逆から言ってもらいます。正解の場合は各1点で、6・8・2で失敗した場合は、そこで終了で0点のままです。
そして先程、覚えてもらった言葉を思い出してもらいます。自発的に答えられた場合は1つの言葉につき2点ずつ、ヒントにより答えられた場合は1つの言葉につき1点、答えられなかった場合は0点です。
続けて5つの品物を見せ、それを隠し、何があったかを答えてもらいます。1つ正解するごとに1点の加算です。
最後は野菜の名前を答えてもらいます。10秒、待っても答えられなかったり、答えに詰まった場合は終了です。
10個以上で5点、以降9個で4点、8個で3点、7個で2点、6個で1点、1~5の場合は0点です。
点数と認知症の検査の関係
点数は30点満数で20点以下の時には、認知症の可能性が疑われると判断されます。
ちなみに平均点数ですが、非認知症の場合は24.3点、軽度認知症の場合は19.1点、中等度の場合は15.4点、やや高等度の場合は10.7点で、高度認知症の場合は4.0点です。
また各設問には、認知症に関係がある脳の機能低下が設定されています。たとえば見当識や言葉の遅延再生などです。
よって点数が良くても、設問によって回答率が著しく悪かったり、時間がかかったりした場合には注意が必要と診断されることもあります。