認知症は、ちょっとした工夫で、日常生活を困らずに送ることができます。
対応の仕方としては、何が正しいかという考え方よりも、どうしたら円滑にことが運ぶかを優先して、対応することで、安心・一体感が生まれ、よりよい関係を保つことができます。
認知症とは
認知機能の障害によって、社会生活などが困難になる病気の総称で、アルツハイマー型、脳血管性、レビー小体型、前頭側頭型などさまざまな種類の症状があります。
アルツハイマー型は、もっとも多い認知症で、女性の発症が多いのが特徴です。
アルツハイマー型は、脳にアミロイドβやタウと呼ばれる特殊なタンパク質が溜まり、神経細胞が死んでしまい減少していくために、脳全体が委縮していき身体の機能も失われていきます。
最近の出来事を忘れてしまうという症状がみられますが、早期に治療薬を投与することで、症状の進行を緩やかにすることができますから、早期発見が重要です。
また、アルツハイマー型の一部は遺伝するともいわれていますから、家族や親族が家族性アルツハイマー病だとわかっている場合には、早期発見や治療を心がけましょう。
認知症の予防と治療
現在の医学では、認知症を完全に治すことはできませんが、適切な対応によって、症状を軽減させることや進行を緩やかにすることは可能です。
初期の認知症の進行を遅らせる薬として、アリセプトがあります。
ただ、薬はあくまでも対処療法ですから、残された機能を維持できるようにするため、本人の自立した生活を送れるように支援していくことが大事です。
また、リハビリテーションでは、脳のさまざまな機能に刺激を当てることで、脳が活性化したくさんの血液が脳に流れて酸素と糖が運ばれ、脳の機能の低下を防ぐことができます。
脳を働かせるためには、バランスのよい食生活が大切です。
脳を働かせるためには、栄養が必要ですから、中年期以降には無理なダイエットをしないようにし、バランスのよい食生活を心がけることが大切です。
正しい対応方法
認知症と聞くと、どう接したらよいかわかならないなどのとまどいを感じる人も多いかもしれませんが、近年では、家族や近所に認知症を患っている人も珍しくなくなりましたから、正しい対応方法を知っておくことが大事です。
病状によって症状の出方が異なりますから、意味が通じずわからないことがあったとしても、否定せずに受容して、高齢者に安心感を与えることが大切です。
また、病気であることを家族が理解して受け入れることや、ケアによって症状が和らぐこともありますから、いろいろな機関を利用して、たくさんの力を借りるとよいでしょう。