高齢になると、痴呆症や認知症、アルツハイマー病などの症状が現れることがありますが、これらの病気がどのようなものなのかを詳しく知っている、各病気の違いがはっきり分かるという方はそう多くはないようです。
ここでは、これらの病気の内容や違いについて紹介します

痴呆症と認知症の違いとは

この2つの病気は全く異なるものだと思っている方も多いようですが、呼び方が違うだけで同じ病気です。

以前は痴呆症と呼ばれていたのですが、痴呆には、ぼんやり、愚かという意味があるため、この病名は病気を患ってしまった当事者や家族が傷ついてしまい、痴呆症を患っていることを人に知られるのが恥ずかしいと思うようになることが多かったため、日本医師会では、痴呆症を認知症と呼ぶことと決めています

認知症とはどのような病気なのか

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認知症とは、さまざまな原因で脳細胞が死滅したり、脳細胞の働きが悪くなったために障害が起こるようになり、日常生活に支障が出ている状態のことを言います。

この病気にはいくつかの種類あり、主な4つの種類は、アルツハイマー型、脳血管型、レビー小体型、前頭側頭型です。

この4つの種類のうち、全体の約6割がアルツハイマー型、約2割は脳血管型と言われています。

主な症状やケアの方法は種類によって異なりますが、代表的な症状としては、記憶障害や判断力の低下、自分が今置かれている状況などを正しく理解することができなくなる見当識障害などがあります。
また、徘徊や暴力をふるうなどの行動が現れることもあります。

治療を受けても完治は今の医学では難しく、薬物治療やリハビリ、家族のケアなどで症状の進行を遅らせることはできますが、完全に良くなるということはありません

アルツハイマー病とはどういうものか

アルツハイマー病は、進行性の脳疾患で記憶や思考能力にゆっくりと障害が起こる病気です。最終的には日常生活の基本的な行動を行うこともままならなくなってしまいます。

アルツハイマー病は、認知症の種類の1つであり、進行を遅らせる治療しかないので、完治させるような治療方法は今のところありません。

アルツハイマー病を発症する前段階は、軽度認知障害と呼ばれており、物忘れがひどくなるという症状が現れます。

この段階で発見することができれば、治療効果や発症の遅延効果が高い言われているので、気になる症状が現れたときは、単なる物忘れと思わずに専門機関を受診することが重要です。