最近「認知症」という言葉を一日に何度も耳にすることも多くなってきました。
「認知症」って特別な病だと思っている人も多いと思いますが、「認知症」は誰にでも起こりうる病なのです。一番身近な家族ややがて来る自分の老いの為にも「認知症」を知ることから始めませんか?
認知症にも、大きく分けると種類があります
「アルツハイマー型認知症」「レビー小体型認知症」「脳血管性認知症」「ピック病」となっています。
その代表的なものが「アルツハイマー型認知症」と呼ばれています。
認知症の中では5割を占めていて、男性よりも女性に多く見られます。
65歳以前の比較的若い世代にも発症します。
典型的なアルツハイマー型認知症では、病歴に脳血管障害がなければ麻痺や感覚障害などの神経障害はありません。
アルツハイマー型認知症はゆっくりと進行していきます
まず、日々の生活で記憶の障害(物忘れ)から始まり、さらに外出時に迷ったり、自分のいる場所がわからないなどの「見当識障害」が見られます。
重要な約束を忘れてしまったり、新しい場所へ旅行することが困難になったり、今まで当たり前に出来ていた生活や仕事に支障をきたし始めます。
そのまま進行していくと、次に判断力や理解力の低下により例えば、必要なものを必要な量だけ買うことができなくなったり、誰かがついていないと買い物の勘定を正しく払うことが出来ないなどの社会生活に支障がでます。
さらに悪化すると日常生活でも自立できなくなります
さらに進行していくと、社会生活面だけではなく、季節に応じた洋服を選び着替える事ができなくなったり、入浴を忘れるなど家庭での日常生活でも自立できない事が多くなってきます。
また急に起こったり、泣いたりして感情をコントロールすることが出来なくなったりや多動、睡眠障害など精神的な面でも不安定になります。
そして、入浴拒否やトイレの水が流せなくなったり、排泄行為を行なう上での認知機能が低下し、失禁、失便が見られます。
最終的には、話し言葉はいくつかの単語あるいは短い文節に限られ、語彙は徐々に失われていきます。歩行や手足の動作も出来なくなり、着座能力、笑う能力の低下、昏迷、昏睡の症状がでてきます。
これらの進行はゆっくりで通常は数年に及びます。
現在アルツハイマー型認知症を完治させる治療法はありませんが、症状を改善させ進行を遅らせる薬は存在します。そして、何よりも早期発見、早期治療がご本人や家族のためにも何よりも大切だと思います。