人は誰しも年齢を重ねていくうちに、心身が衰えていきます。
中年を過ぎると、運動能力も、思考能力も自分自身が思っていた以上に低下していきます。高齢者だけでなく、物忘れの症状は、経年と共に出てくるものです。

この場所に何しに来たのかとか、何を探していたのかとかは、よくありますよね。
こういう場合、病的な物でなければ、直ぐに思い出すものです。
ところが、これがアルツハイマー型認知症の初期症状であるかもしれないのです。

アルツハイマーの診断について

アルツハイマー型認知症の疑いがあっても、医療機関で検査を受けないと判断はできません。認知症として診断する方法として、アメリカの精神医学界の診断基準「DSM・4」が世界的に広く使われています。

まず、(記憶障害がある)(麻痺などが無いのに手足の協調運動が出来にくい)(対象物が何か認識できない)(ことばを忘れて自分から話しにくい、人のことばが理解できない)(ある状況に置かれた時に、適切な判断と行動ができない)という診断基準が設けられています。

このような症状があり、家庭や社会に支障をきたしている場合は、アルツハイマー型認知症の可能性が高いです。

テストで判る事もある

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又日本の長谷川式認知症簡易評価スケールは、医師が効率的かつ公平に認知機能の低下を診断するために1974年に開発され、1991年に一部改定を経て今に至るまで利用されています。問題の解答点で判断され、30点満点で、20点以下だった場合、認知症の可能性が高いと言われます

只このテストの点数が悪かったからといって、必ずしも認知症と診断されるものではありません。

特に、アルツハイマー型認知症では、「実際に経験した先の出来事自体を忘れる」記憶障害が顕著に現れます。
記憶障害を周りに知られたくない気持ちから、作り話をしたりする傾向があります。

そして、うつ状態になったり、余り外出をしなくなります。もの忘れも、少しずつ悪化していく段階です。日付や時間、場所も分からなくなり、かなりの認知能力の低下がみられるようになります。

それでも日常生活は何とか送れているので、老化現象と判別しにくいのは確かです。
判断基準が難しくても、なるべく初期の段階でアルツハイマー型認知症と判断し、治療を進めなくてはなりません

高齢者だけではない?

アルツハイマー型認知症は、記憶障害に加え、失語や、今まで出来ていた事が出来なくなる機能性障害が表れます。
このような症状が満たされ時には、断せざるを得なくなるのは事実です。

高齢でなくても、初期症状として記憶障害がでる若年性アルツハイマー病も増えています。疑いがある場合は、早めの受信が不可欠です。