一口に認知症といっても、その原因にはいろいろあります。
認知症の種類には頭蓋内の病気から発症するもの、神経細胞の数が減少してゆくもの、頭部外傷後の血がたまる硬膜下血腫、脳脊髄液がたまる水頭症と、身体のホルモン異常、重症の肝臓病や腎臓病、ビタミン欠乏症、感染症からなる認知症があります。
これらは発生源の治療をすることで軽くなる事があるので、早期発見しての治療が大切となります。
一方、現段階では治らないとされている認知症の種類にはアルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、血管性認知症があげられます。
アルツハイマー型認知症の症状
アルツハイマー型認知症は脳内で特殊なタンパク質異常が起こり脳内のニューロン・シナプスが脱落してゆく症状を起こします。
神経細胞がどんどん壊れ、脳が委縮してゆく認知症で、記憶障害を起こしてゆき、二次性の呼吸器合併症などによって最終的には死に至ります。
たとえば、たった今、したことをわすれたり、物を置いたところが分からなくなるのが増えてきます。自分が今、どこにいるのか分からず、道に迷ったり、約束の日時や、場所を間違えるようになります。又、財布、衣類など人に盗られたと思う時があります。
レビー型認知症の症状
レビー型認知症の症状は、自分だけが見えるものがあって周りの人には見えないと言われることがあります。
睡眠時に大きな声の寝言を言ったり暴れるなど異常な行動があるといわれます。
身体をうごかしにくい、手がふるえる、歩き方がすり足で小刻みになってきます。
認知症の種類の血管性認知症は脳梗塞、脳溢血などで、脳の血流が止まってしまい、脳細胞が働かなくなっての症状で、昔にもどってしまったり、食事をしたのを忘れたり、何度言っても忘れたりしてしまいます。又、突然、発作的に外に出てしまったりします。
いずれにしても、認知症の中心的な症状は、記憶障害です。特に最近の記憶、行動全体を忘れてしまいます。そのため、何度も同じことを繰り返したり、食事をもらえなかったと訴えます。
過去の記憶を思い出す人は多い
最近の記憶は忘れていますが、突然、過去の記憶の世界に意識が戻ってその意識の中で、今の行動を取ろうとしたり、取っていますので、現実にはない世界の中で行動を取るので、そばで見て奇妙に映ります。
例えば、ある時間、幼稚園児に戻ってしまって母親が迎えに来るからと外に出ようとしたり、和裁の着物を縫うしぐさを空中で針を持っているかのごとく上手に縫っている行動をとったり、その方の過去の行動が垣間見られたりします。
そんな時は、上手に相手の意識の世界に合わせながら、上手に現実の世界に戻す行動を取って上げれば、本人は納得します。
それを打ち消したり、咎めたりすると、感情は納得しなくなり、むきになったりします。