レビー小体型認知症は認知症の1種ですが、有名なアルツハイマー型認知症とやや異なっています。アルツハイマーのように、レビー小体型認知症も物忘れの症状はあります。
しかし、それ以外の症状もいくつかあります。物忘れの症状が出たら、分かりやすいのですが、それ以外の場合は他の病気と間違えることがあるので注意が必要です。
元気のない状態に注意する
レビー小体型認知症の原因は、脳の中にできるたんぱく質です。
このたんぱく質はレビー小体と呼ばれて、この病気に特有な症状の原因になります。
アルツハイマー型認知症の場合は、アミロイドβと呼ばれる物質が原因で起こります。
この点が、2つの認知症を見分けるカギになります。
この病気になると、初期は元気のない状態になることがあります。気持ちが塞いだり、意欲の低下が起こります。そのためにうつ病と間違えられることがあります。
お年寄りが元気のない状態になったら、レビー小体型認知症を一応疑ってみましょう。
うつ病だと思って、精神科に行くのは避けた方が無難です。
うつ病の薬の中には、この病気をかえって悪化させるものがあるからです。
妄想が出てきたら要注意
この病気の初期には、いろいろな形の妄想が出ることがあります。
例えば、盗難にあっていないのに、自分の財布が盗られたと騒ぐことがあります。家族が盗んだと言い張ることもあるので、家族は困ってしまいます。このような症状が出たら、すぐに病院に行った方が良いでしょう。
初期の段階で出てくるので、この時に治療を開始したら、この病気の進行を早く食い止められるようになります。
妄想の形は多彩です。嫉妬妄想もあります。
例えば、夫婦のどちらかがレビー小体型認知症になった場合に、病気でない人が浮気をしていると騒ぎ出すことがあります。
このような時も、できるだけ早く病院に行くが良い方法です。
物忘れが出ることもある
レビー小体型認知症でも、物忘れの症状が出ることがあります。この病気の場合は、中期に出ることが多いのですが、初期の段階で出る人もいます。その場合は、物忘れだけではなく、上記に書いたようなうつの状態や妄想とセットになっていることが多いです。
物忘れが最初に出た場合は、認知症だと分かりやすいので、すぐに病院に行くことが可能になります。本人が行きたがらない時は、健康診断を受けに行きましょうと説得するのが良い方法です。この病気の特徴として頑固になることがあるので、柔軟に対応しなければなりません。