認知症の中でもアルツハイマー型に次いで発症数が多いレビー小体型認知症ですが、どのような原因で発症し、どのような症状が出るのかなどあまり広く知られていません。
しかし、高齢化が進む昨今において発症数から考えれば、いつ身近な人がレビー小体型認知症になるのか分かりませんので、いったいこの病気がどのようなものであるのかを知っておきましょう。
レビー小体型認知症の原因
レビー小体型認知症とは、神経細胞にできる特殊なたんぱく質であるレビー小体が、物を考える時の中枢的な役割を担う大脳皮質や呼吸や血液を司る重要な場所である脳幹にたくさん集まってしまい、その部分の神経細胞が壊れて、上手く脳の機能が働かなくなることが原因で引き起こされます。
アルツハイマー型が女性に多いのに比べて、男性に多いのが特徴です。
症状を見極めてケアプランを立てる
物忘れなど記憶的領域に関係した症状が起こるイメージの認知症ですが、レビー小体型は初期に食欲がない、元気がないなどのうつ病に似た症状が出るため、老人性うつなどの診断をされてしまうケースも珍しくありません。
その診断が正しいケースもありますが、幻視や認識妄想、手が震える、動作が鈍くなるなどのパーキンソン病のような症状があらわれたのであれば、レビー小体型を疑い、早いうちに然るべき医療機関を受診させるようにしましょう。
早期のうちに適切な診断とケアプランを立てることができれば、幻視や認識妄想などからくる精神症状や行動異常をある程度予防することができますし、症状が進行した際の日常生活動作への支援をスムーズに行えるようになります。
介護をする際の対応策
家族で介護をする場合、様々な症状に対する対応策を考えておかなければいけません。
例えば、代表的な症状である幻視や認識妄想への対応ですが、こうした症状は患者の中で全て現実世界の出来事ですので、もしも、患者が誰もいない場所に向かって話しかけていたり、家族が他人に見えるなど間違った認識を抱いていても、決して否定したりせず話を合わせてあげましょう。
またパーキンソン症状で転倒などしないように歩行時に傍に寄り添ったり、家の中に段差をつくらないように気をつけなければいけません。
しかし、どのような対応をしても症状の進行度合いによって家族の負担が大きくなっていきますので、家族だけで抱え込まずに県や市の相談窓口やケアマネージャーなどのサポートを受ける準備もしておきましょう。