人間はだれもが年をとれば体に様々な症状が現れるようになります。
その現れ方には個人差があるにせよ、体の機能の衰えによって若いころには当たり前のようにできていたことがいつの間にかできなくなっていることに気が付いて愕然とするというのは多くの人が体験することです。そして年を取って多くの人が経験するのが物忘れです。
まだら認知症は認知症の種類ではない
まだら認知症という名前から認知症の種類だと勘違いされることが少なくないのですが、アルツハイマー型認知症などのように認知機能全体が低下して少しずつできないことが増えてくるのではなく、まだら認知症、いわゆるまだらボケの場合は同じ事でもできる時とできないときがあるのが特徴です。
まだらボケは脳梗塞などによって脳内で障害が起きている場所と起きていない場所があったり、脳内の血流状態によって起こるものです。つまり、脳血管性認知症によって起こる障害が出たり出なかったりするのがまだらボケと呼ばれるものです。
まだらボケの特徴的な症状
まだらボケの具体的な例としてはたとえばひどい物忘れの症状が出ていたとしても本人には理解力があるケースなどです。
アルツハイマー型などとの最大の違いが少しずつ認知機能全体が低下することで物忘れが徐々に目立ってくるのではなく、急に重い症状が出て、今食べたことを忘れてしまったりするにもかかわらず、本人には理解力があって、しっかりとした受け答えができるといったケースがよくあるところです。
そしてその症状の波は一日の時間の経過の中でも大きな差があることもあり、朝はしっかりとなんでも受け答えもできていたのに午後になったら症状が重くなって身の回りの事さえできなくなってしまうといったように、むらがあることが珍しくありません。
そのため周囲の人間の目にはわざとぼけたふりをしているのではないかという思いがよぎり、誤解を与えやすいのも特徴の一つです。
家族や介護者が気を付けたいこと
周囲の人間がまだらボケの人はいろいろなことが出来たりできなかったりするのが特徴だと理解しておかないと、わざと困らせるためにできないふりをしているのではないかと本人に対して腹を立ててしまうことも多いものです。
腹を立てて無理強いしたりするのではなく、できないときは本当にできないのだと理解して、必要なら手助けをするといったスタンスで接することが大切です。
本当はできるのにしない、ボケが振りをして困らせようとしているといった誤解は本人にとっても周りの人にとってもデメリットしかありません。
できないことだけを確認しながら解除することが大切です。