認知症の中でアルツハイマー型認知症に次いで多いと言われているのが、脳血管性認知症です。脳梗塞などの脳血管の病気が原因で脳の血管が詰まったり、出血して脳細胞に酸素が送られなくなることが原因です。

脳の神経細胞が死んでしまう

脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などの脳血管系の病気にかかると、脳細胞に酸素が届けられなくなり、脳の神経細胞が死んでしまいます。

脳血管性認知症は男性の患者が多く、良くなったり悪くなったりを繰り返すのが特徴です。何度も脳梗塞を繰り返していくと、徐々に症状が悪化していくケースが多いです。

アルツハイマーと似た症状

アルツハイマー型はアミロイドβやタウという特殊なタンパク質が蓄積することで、神経細胞が死滅して脳が萎縮する人治療です。

以前まではアルツハイマー型と脳血管性認知症は正反対の病気と認識されていましたが、最近では似たような病態が多かったり、共通するリスク因子がある、といったことがわかっています。

脳血管性認知症は、アルツハイマー型と同じように「まだら認知」という症状を起こしやすいです。正常に働いている細胞がある部分はしっかり機能しますが、脳梗塞などで壊れてしまった神経細胞があると、そこの機能が低下して出来ることと出来ないことが二分されます。

例えば、覚えることや計算はできないけれども、判断はしっかり出来るというような状態がまだら認知です。また、1日の中での状態変化も多く、意欲がない時もあればちゃんと動く時もあるという症状が出るので、怠けているのだと勘違いされてしまうことがあります。

感情失禁が起こりやすい

脳血管性の症状は、感情のコントロールができなくなる感情失禁を伴うことが多いです。急に泣き出したり怒ったりして、感情の起伏が激しいのが特徴です。

当たり障りのない会話をしても泣き出してしまうこともありますし、特別なことが起こらなくても涙を流すこともあります。ニコニコしているから機嫌が良いのかと思って声をかけたら、いきなり怒って怒鳴り始める人もいます。

逆に、まったく表情を変えなくなる人もいます。表情がほとんど変わらなくなり、うつ病にもなりやすいです。脳血管性の患者さんに対しては、自分が病気だということを認識していることが多いです。

なので介護者が「どうしてこんなことも出来ないのか?」と感情をあらわにしてしまうと、プライドを傷つけて意固地になったり、鬱状態になってしまうこともあります。