認知症は早期発見により、進行を遅らせたり停滞させるだけでなく、病気の原因の種類によっては治すことも可能な薬が出来るようになりました。

認知症は原因となる病気によって異なりますが、進行する病気なのでそれぞれの段階で症状もどんどん重くなっていきます。

なのでいかに初期に気が付き、治療を開始するかが重要となってきますし、できるだけ進行を遅らせる方法となります。そして周りの人の対応や環境を整えるということも認知症の進行に大きく関わってきます。

これまでと変わらず落ち着いて生活できるように寄り添い見守ること、これまでと変わらない身の回りの環境で混乱せず安心して生活することが、認知症を悪化させず穏やかに過ごすことにつながるのです。

初期の段階

認知症の初期の症状として、物忘れや物をどこに置いたか分からなくなるというものが挙げられます。ただ、この症状は通常の物忘れとの区別がつきにくく、この初期段階で認知症と気づかれることはなく進行してしまうことが多くあります。

ですが、認知症は感情や意欲、性格に変化がでてきます。例えば大好きだった趣味に対して関心を示さなくなりぼーっとすることが多くなったり、怒りっぽくなった、あんなに几帳面だったのに周りに構わなくなった、料理など複雑な作業をすることが難しくなったなどが挙げられます。

会話自体は支障なく行うことができますが、最近の出来事を忘れてしまうので記憶に関しての会話は難しくなります。昔の記憶はよく覚えています。

中期の段階

中期の症状として、日付や場所が覚えられなくなります。混乱期とも言われ、家に帰ると言ってどこかに行こうとする徘徊が起こりやすいです。

また、身の回りのことが出来なくなったり、衣服の着脱、入浴などを自分ですることが難しくなります。

お金の管理も難しくなってきますし、同じものを大量に購入してしまったり、トイレの場所が分からず失禁をしてしまったりすることもあります。

また、実際にないものが見える幻覚の症状がみられたリ、暴言や暴力といった不安の表れが強くでたりするので、介護する側の負担はかなり大きくなります。

後期の段階

後期の症状として脳の萎縮が進行します。言葉の内容も理解できなくなり、会話ができなくなったり、食べ物でないものを食べてしまったりします。

立つことや座ることもできなくなり、最後には寝たきりになってしまうこともあります。自分で口を開けて食べることもできなくなり、嚥下機能も低下してしまうため、栄養状態も悪くなってしまいます。