認知症の兆候はいろいろです。分かりやすいのは、物忘れで、ご飯を食べたことを忘れて、まわりの人がびっくりします。物忘れ以外の兆候が要注意ですよ。ぼんやりしていたり、虫が見えると言ったりするときは、まず認知症の検査をしましょう

さっき言ったことを忘れてしまう

認知症の兆候の中で、一番わかりやすいのは物忘れです。昔のことは覚えているんです。それでもいま言ったことを、思い出せなくなります。

例えば、おじいちゃんが今日は何曜日とたずねて、数秒後にまた今日は何曜日と聞いたら要注意です。普通の人だったら、さっき聞いたことは覚えていて、繰り返し質問なんかしません。

でも、この病気の人は最近のことを覚えられないので、何度も同じことを言います。こんな兆候ができたら、すぐに病院に行きましょうね。

元気がなくなってきたら要注意

物忘れ以外の兆候は、元気がなくなることです。これにはいろんなことが含まれます。例えば、外出が好きでお友達とよく出かけるおばあちゃんが、それをやめたら注意しましょう。外出しなくなって、家でじっとしているようになります。

他にもあります。眠れなくて、悲しい顔をしていることもあります。このような時は、うつ病と間違いやすいので、注意しましょうね。お年寄りが元気がなくなったら、うつ病よりも認知症の可能性の方が高いのです。

うつ病と間違えられて違う薬を出されたら、かえって悪化して大変です。元気のなくなるのは脳の衰えが始まったからです。おばあちゃんやおじいちゃんの元気がなくなったら、まず認知症の検査をしましょう。

おかしな行動を取ることもあります

認知症の兆候には、おかしな行動もありますよ。例えば、おじいちゃんがおばあちゃんが浮気をしていると、怒り出したりします。おばあちゃんがいくら綺麗な人でも、もうお年寄りなので浮気をすることはないですよね。これは嫉妬妄想と呼ばれて、認知症の初期に出やすいのです。

このような妄想が出てきたら、家族は困ってしまいます。浮気なんかするもんですかと言ったら、おじいちゃんは怒り出します。おじいちゃんの現実の中では、おばあちゃんの浮気は起こっているのです。嫉妬妄想を認めてもいけませんが、強く否定するのは避けた方が良いでしょう。

他にも物を盗まれたとか、誰かが自分に危害を加えようとしているといった妄想が出てくるので、家族はお手上げ状態になってしまいます。
これと似た症状には幻覚があって、小さな虫が一杯見えると叫んだりします。