認知症は65歳以上の高齢者の約10パーセントが発症していると言われています。さらに85歳以上ともなると約30パーセントにも増えます。高齢化の日本では高齢者の代表的な病気といっても過言ではありません。
認知症を発症した場合の余命は約10年から15年と言われますが、種類や個人差が大きく脳以外の体が健康な場合はそれ以上になる場合もあります。
認知症の種類 アルツハイマー
認知症にはいくつか種類があります。代表的なものは3種類あります。一番多く見られるのは、アルツハイマー型です。アルツハイマー型は患者の役半分と言われています。
状態としては、脳が萎縮して様々な症状を引き起こします。軽度では今日が何月何日なのかわからなくなったり、買い物に行っても何を買うのか忘れてしまったりなど物忘れが見られます。
中度になると、物事の段取りや手順がわからなくなったり、場所がわからず迷子になったりという症状も見られます。また、大声を上げたり暴力的になったりなど日常生活に支障が出始めます。
重度になると妄想や幻覚が出て、家族や自分さえもわからなくなります。また、身体機能の低下が見られ、寝たきりになってしまいます。末期の状態では、食事や排泄、意思疎通なども困難になります。
認知症の種類 レビー小体型
次に多いのはレビー小体型になります。この疾患は認知症患者の約20パーセントと言われています。神経裁縫にレビー小体という特殊なたんぱく質が出来てしまい、神経の伝達を妨げることで認知症の症状を発症します。
レビー小体型では物忘れよりも幻視が最初に見られる症状です。また、ここは自分の家ではない、家族ではない人が家族として同居しているなどの見当識障害がでることもあります。
また、体がこわばり筋肉はうまく動かなくなることもあります。アルツハイマー型は徐々に進行して行きますが、レビー小体型は調子が良いときと悪いときを繰り返しながら進行していきます。現在完治は難しい疾患ですが、投薬によって進行を遅らせることができる場合もあります。
認知症の種類 脳血管性認知症
次に見られる疾患は脳血管性認知症です。これは脳内の血管が詰まる脳梗塞や破れてしまう脳出血など、脳内の疾患が原因で発症するものです。
この場合は、物忘れ以外にも半身麻痺や嚥下障害、言語障害など脳疾患で見られる症状が出てきます。いずれの疾患とも明確な余命というのはわかりません。
個人差によっても進行のスピードが違いますし、早期の治療で平均よりも長く生きていられることもあります。
家族が認知症になったら、あとどれくらい余命があるのだろうと不安になると思いますが、まずはしっかり治療を受けて少しでも進行を遅らせることと、人間はいつか命が尽きてしまいますので、そのときまで幸せに暮らせるように家族でケアできる体制を整えることが大切なことです。