アロマセラピーは心の状態を改善するのに役立ちますが、嗅覚を刺激することによって認知症の予防や改善にも役立ちます。アロマセラピーではいろいろな種類のエッセンシャルオイルが使用されますが、認知症に効くアロマオイルの種類について解説します。
認知症とアロマセラピー
アロマセラピーは医療行為ではありませんが、一部の医療現場ではアロマセラピーによる芳香療法が行われています。認知症に効く特効薬はありませんが、非薬物療法である芳香療法は認知症に効くのではないかと研究機関で研究が続けられています。
大学での臨床研究の結果、ローズマリーやラベンダー、レモンオイル、オレンジオイルなどのアロマオイルが認知症の予防や改善効果があることが判明しています。
ローズマリーの認知症の予防と改善効果
ローズマリーのアロマオイルはファンが多く、とても人気の高いエッセンシャルオイルの一つです。医療機関で認知症患者に約1ヶ月間にわたってローズマリーの香りを嗅がせたところ、8割以上の患者さんに症状の改善が見られたことが報告されています。
ローズマリーはレモンやオレンジとの相性が良く、レモンやオレンジのアロマオイルをブレンドすることによって、より優れた効果が期待できます。
ローズマリーの香りが認知症の患者さんに良い理由は、ローズマリーの香りが嗅神経を刺激することにより、海馬を活性化させることに繋がるためです。
海馬とは脳にある記憶を司る器官であり、認知症になると海馬の働きが低下して記憶力が低下します。海馬の働きが活性化されると記憶力が回復して認知症の症状が改善されます。
ラベンダーの認知症の予防や改善効果
ラベンダーのアロマオイルは最もポピュラーなエッセンシャルオイルであり、気持ちを落ち着かせることに役立ちます。
ラベンダーは古代ローマの時代からハーブとして心と体の健康のために使用されており、認知証の予防や改善効果も期待できます。神経過敏でイライラしたり怒りっぽい人に最適な精油で、昂ぶった気持ちを落ち着かせてリラックスすることができます。
認知症を患うと怒りっぽくなり、怒りや激昂を抑えられなくなる患者さんがおられます。
そのような患者さんにはラベンダーの香りが最適で、怒りの衝動を抑えて暴力行為を抑制することにも繋がります。
認知症の患者さんを介護している家族の人は腹が立ったりイライラすることがありますが、介護を担当される方もラベンダーの香りを嗅ぐと心が落ち着いてきます。
ラベンダーのアロマオイルは、介護をされる人と介護をする人の両方に役立ちます。