認知症は誰もがなり得る病気ですが、早期発見と早期治療でその症状を改善したり、進行遅らせることができます。しかしながら、自覚症状がなく、また、自覚症状があったとしても認めたくないとの思いから、結果、早期発見が遅れてしまうことも少なくありません。
認知症予防策について
こういった状況を回避するために作成された認知症予防プログラムとは、高齢者を対象とした予防策の一つであり、定期的な運動や対人交流を行うといったもので、その効果に注目が集まっています。
対象となるのは、健常高齢者のほかその疑いのある高齢者となり、対象者の運動能力や合併症の症状などを考慮し、10人から20人のグループで行います。自治体が積極的に取り入れる傾向が年々強くなっていますから、公民館などで週1回、90分から120分の間で行われるのが一般的です。
2つのプログラムについて
プログラムは運動プログラムと対人交流プログラムに分かれ、運動ではストレッチ体操や拮抗運動、下肢の運動を30分から40分かけて行います。その後、対人交流に移り、ゲームや創作活動、座談会などを40分から50分かけて行うのが大まかな流れになります。
このプログラムは、1回だけで成果を求めるものではなく、回数を重ねるごとに成果が出てくると言われています。
というのも、参加者が全て顔見知りというわけではありませんから、すぐに馴染めるものではないからです。
回数を重ねることにより、顔見知りになり、やがて緊張感がほぐれ友達関係が築かれていきます。さらに、回数を重ねていくと、参加者の中からリーダーなる人など、様々な役割を高齢者が自主的に決めていき運営していくようになるのです。また、支援者は、最終形を見据えながらサポートしていくことが重要になってくるのです。
アルツハイマー型について
認知症の中でも最も多いアルツハイマー型は、脳にタンパク質が溜まり脳萎縮が引き起こされることによって症状が進行していきます。残念ながら、完治させる治療法はありませんが、常に脳を活性化させることが予防策であることは間違いありません。
特に一人暮らしの高齢者は1週間以上誰とも話さない状況もあり、健常高齢者であっても認知症を発症する可能性が高まります。
こういった状況を回避し、高齢者のコミュニティー作りのサポートを行うのが認知症予防プログラムであり、今すぐにできる対策です。高齢化社会が進むにつれ、認知症の問題はさらに大きくなることが予想されますが、しっかりと予防すればこわくありません。