生活習慣の改善や脳トレーニングは、認知症の予防や改善に役立つ可能性があります。認知症は確実な治療法が登場していないため、一度発症してしまうと治らない病気として恐れられています。本人だけではなく介護する家族の負担も相当なものです。

生活習慣の改善

認知症防止のために良いと言われているのが、肉食から魚食に切り替えることです。肉に多く含まれる飽和脂肪酸は細胞膜の材料になるので、硬度を保つためにはある程度必要なものです。

神経伝達物質をやり取りする部分の土台も飽和脂肪酸が材料になっているので、全くとらなくていいわけではありません。

しかし、最近の日本人の食生活は飽和脂肪酸は摂りすぎな一方で、魚などに多く含まれている不飽和脂肪酸は減少傾向にあります。これが認知症の増加に拍車をかけていると考える有識者も多いです。

魚を食べる習慣をつける

魚に含まれているDHA(ドコサヘキサエン酸)は、脳内神経伝達物質の受け渡しをスムーズにしてくれる脂です。特に旬の魚の脂に多く含まれているので、旬の魚を食べることで脳の働きをサポートすることができます。

脳内からDHAが減ってしまうと、神経伝達物質の受け渡しがうまくいかなくなり、記憶力や学習能力に影響が出てきます。これは様々な研究でもわかっていることです。DHAは育ち盛りの子供の脳の発育に摂取させたい栄養素として、食育でも注目されています。

認知症の防止のためには毎日食べてもいいですが、毎日旬の魚を食べるのが大変という人は、魚の缶詰を使ったり、サプリメントを利用してもいいでしょう。DHAとEPAが両方含まれているサプリメントはたくさん登場しているので、自分が使いやすいものを選べばOKです。

脳トレーニングは効果がある?

記憶力や学習能力を調べた研究では、何歳になっても脳の機能は伸ばせるとされています。例えば、100歳のおばあさんでも、漢字を覚えまくればそれだけたくさんの漢字を覚えられるということです。

人によって差はありますが、何歳だから脳機能が伸びないということはありません。なので、認知症防止のために漢字を覚えたり、計算ドリルを解いたりというのは良い効果が期待できます。

最近であれば、携帯できるゲームに脳トレができるソフトが色々と登場しています。ゲーム好きな高齢者であれば、楽しく取り組めるでしょう。

また、家族も一緒に楽しむことで、コミュニケーションも同時に行うことになるので認知症対策になります。